川村会計事務所|大阪・堺の税理士事務所

一人親方の節税方法10選!今日からできる合法的な税金の減らし方を税理士事務所が解説

一人親方は会社員と違い、独立した個人事業主です。

会社が全部やてくれるわけではなく、自分で所得や経費を管理する必要があります。

しかし、会社員は経費精算を財務部や経理に任せています。領収書を渡せば、立替分が生産されるのですが、かなり厳しめの基準になっています。

一人親方の場合、経費として正確に計上すれば、かなり節約につながります。

「こんな費用も経費にできるのか?」と理解すれば、節税につながり手取りを増やせます。
節税は脱税ではなく合法であり、ぜひ実践したいものです。

本記事では税理士事務所の視点から、すぐ実践できる節税方法を解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

一人親方が節税を真剣に自分のものとして考えるべき理由

一人親方は会社員と異なり、自ら確定申告を行い納税額を確定させます。

会社員のように税金を勝手に給料から源泉徴収されるのではなく、自分で経理を行い、それに基づいて納税額が決まります。

同じ売上であっても、節税対策の有無によって手取りは大きく変わります。

納める税金を適切に管理することは、事業の資金繰りを安定させ、長期的に事業を継続するための重要な経営戦略です。

節税と脱税は明確に異なり、しっかり節税できることも優れた経営者、個人事業主に必要なスキルともいえるでしょう。

一人親方が支払う主な税金とは?

まず一人親方が納める税金について確認しておきましょう。

一人親方が把握すべき主な税金は4つあります。利益(所得)に応じて課される「所得税」と前年所得に基づき計算される「住民税」、特定業種で所得290万円を超えると発生する「個人事業税」、そして課税売上が1,000万円超またはインボイス登録事業者に課される「消費税」です。

これらの負担を考慮した経営計画が不可欠です。

少しでも節税ができれば、経営上の負担を減らせます。

節税とは「課税所得を正しく減らす」こと

節税とは売上を意図的に下げることではなく、業務にかかった「必要経費」や法律で認められた「所得控除」を漏れなく計上し、課税対象となる所得を正しく減らす行為です。

税金は「売上-経費」に一定の税率をかけて決定されます。税金を減らすには経費を増やすことです。

売上を隠すなどの違法な「脱税」とは異なり、ルールに基づいた合法的な手残り最大化の手法を指します。

一人親方の節税方法10選!今日からできる実践的な税金対策

ここで紹介する節税方法はすべて合法的なものですので、安心して取り組んでください。
節税を上手にできる一人親方は、優秀な経営者になれる素質があるかもしれません。

必要経費を漏れなく計上する

節税の基本は「所得=売上-必要経費」の計算において、事業に関わる出費を確実に計上することです。

建設業の一人親方であれば、作業で使う工具類や作業服、現場への移動に必要な車両費・ガソリン代・高速道路料金、消耗品費など、事業との関連性を証明できる支出は1円単位まで漏れなく集計しましょう。

レシートや電子領収書などを保存、整理できる人は優秀です。

青色申告特別控除を活用する

確定申告を青色申告で行うことで、最大65万円の特別控除を受けられます。

白色申告に比べて複式簿記での記帳やe-Taxによる電子申告といった一定の手間はかかりますが、実際の支出を伴わずに課税所得を65万円直接差し引くことができるため、節税効果は極めて絶大です。早期の導入をおすすめします。

最近は比較的容易に複式簿記の仕訳や電子申告できる会計ソフトも出ています。

家事按分でプライベートと事業用を分ける

自宅の一部を事務所として使っている場合や、自家用車、電気、スマホ、ネット回線を事業とプライベートで共用している場合は「家事按分」を活用します。

使用面積や使用時間の割合(例:事業利用50%)を合理的な基準で設定し、事業で利用している比率分を経費として計上します。

小規模企業共済に加入する

小規模企業共済は、一人親方の退職金を準備するための国が運用する共済制度です。

月々1,000円から7万円まで柔軟に設定できる掛金は、全額が「小規模企業共済等掛金控除」として確定申告の際に所得から控除されます(経費とは違いますが同じようなイメージ)。

節税を図りながら老後や事業廃止時の資金を安全に積み立てられる、一石二鳥の対策です。

iDeCoを活用する

iDeCoは、自分で選んだ金融商品で運用しながら老後資金を形成する私的年金制度です。

毎定額の掛金が全額所得控除の対象となるため、高い節税効果を得られます。

一人親方は個人事業主なので厚生年金がありません。
かつては国民年金基金が上乗せ年金として利用されていましたが(今もあります)、iDeCoの方が使い勝手が良いと言われています。

小規模企業共済と併用することも可能ですが、原則60歳まで引き出しができない点や、小規模企業共済と異なり途中貸付制度がない点に注意が必要です。

青色事業専従者給与を活用する

配偶者や親族が事業(事務処理や現場補助、会計など)を年間6ヶ月以上手伝っている場合、事前に届出を提出することで、支払った給与を全額経費化できる「青色事業専従者給与」が利用できます。

家族への給料を経費にできます。

世帯全体での税負担を分散・軽減できる強い味方ですが、専従者が配偶者控除や扶養控除の対象外になる点には留意しましょう。

減価償却・少額減価償却資産の特例を活用する

高額な工具や機械設備、車両などを購入した際は原則として数年に分けて減価償却を行います。
つまり全額経費にできないので納税額が増えます(その年は)。

ただし青色申告者であれば、取得価額40万円未満の資産を年間合計300万円まで一括でその年の経費にできる「少額減価償却資産の特例」が使えます。

利益が多く出た年の税対策に有効ですが、無駄な買い物は避けましょう。

各種所得控除を活用する

生命保険料控除や地震保険料控除、本人や家族の医療費が一定額を超えた際の医療費控除、配偶者控除・扶養控除、国民健康保険や国民年金などの社会保険料控除など、該当する控除項目を漏れなく申告書類へ反映させてください。

確定申告は「申告主義」なので、控除できるものを申告しなくても税務署は指摘しません(逆に経費にしてはいけないものを計上した場合の税務調査はあります)。

ふるさと納税を活用する

ふるさと納税は厳密には税金を減らす制度ではなく、翌年納めるべき住民税などを希望する自治体へ実質2,000円の負担で先払い(寄附)する仕組みです。

自己負担額を除いた全額が控除対象となり、寄附先の自治体から地域特産品などの返礼品を受け取ることができます。

各自の所得に応じた上限額を確認して実施しましょう。

法人成りを検討する

売上や所得が拡大した段階では、個人事業主から法人へ組織変更する「法人成り」が選択肢に入ります。

法人化することで経営者自身の役員報酬化による給与所得控除の適用や、経費にできる範囲の拡大など税制上のメリットが増加します。累進課税の所得税から一定税率の法人税に納税が変わるのもポイントです。

社会保険への加入義務や維持費用も発生するため、迷ったら税理士への相談をおすすめします。

一人親方が経費にできるもの・できないもの

経費として認められるかどうかの判断基準は「事業を行うために直接必要であったかどうか」です。何が経費になり、何が認められないのかを正しく整理しておきましょう。

建設業で経費になりやすいもの

建設現場で働く一人親方の場合、実務に直結する支出の多くが必要経費になります。

工具・消耗品費: インパクトドライバーや脚立などの工具類、作業用手袋、ビスやワイヤーなどの部材
作業服・安全靴: 現場で着用する作業着やヘルメット、安全靴、空調服
材料費・外注費: 現場で仕入れた建築資材や、手伝いに入ってもらった職人へ支払う手間賃
車両費: 現場移動に使う車両のガソリン代、高速道路料金、駐車場代、車検代や任意保険料
通信費: 施主や元請け・協力会社との連絡に使うスマホ料金やインターネット利用料

経費になるか判断に迷いやすいもの

事業とプライベートの境界線があいまいな費用は、事業利用の「根拠」を示す必要があります。

自家用車・自宅家賃: プライベートと共用している場合は「家事按分」を行います。走行距離の割合や事務作業で使用する部屋の床面積割合など、客観的な基準で事業分のみを計上します。
飲食費: 単なる個人の食事代は経費になりません。元請けや協力業者との打ち合わせ、接待を伴う飲食であれば「接待交際費」として計上可能です。

税務調査で問題になりやすいもの

税務調査で最も厳しく指摘されるのが、私生活の支出を交ぜる「私的利用の計上」です。家族旅行の費用や個人的な衣類・日用品などを経費に入れる行為は不正とみなされます。
また、領収書がない支出や「誰と何のために使ったか」という業務上の関連性・根拠が不明確な経費も否認対象となるため注意が必要です。

一人親方が節税するときの注意点

正しい節税は手元資金を増やす有効な手法ですが、一歩間違えると税務上の追徴課税や資金繰りの悪化を招きます。以下の点に留意して取り組みましょう。

節税と脱税を混同しない

節税は法律の枠組みの中で課税所得を適切に減らすものですが、売上を意図的に計上しない、架空の経費を計上したりするのは完全な「脱税」です。

脱税が発覚すると、本来の税金に加えて重加算税などの厳しい追徴課税や延滞税が課されます。もちろん刑事罰を受けるリスクもあります。

領収書や帳簿を正しく管理する

経費を主張するためには、その裏付けとなる領収書・レシート・請求書などの保管と、日々の正確な帳簿付けが不可欠です。

保管期間は原則7年間と定められています。日付、支払先、金額、取引内容が分かる状態で整理して保存しておきましょう。

節税目的で不要な買い物をしない

「税金を払うくらいなら」と、事業に今すぐ必要のない高額な工具や車両を購入するのは本末転倒です。経費を100万円使っても減る税金は一部であり、手元のキャッシュは確実に減少します。

無駄な支出を避け、手元に資金を残す視点を忘れないようにしましょう。

一人親方は税理士に相談すると節税できる?

日々の現場作業に追われる一人親方にとって、税務処理のプロである税理士を活用することは大きなアドバンテージになります。

税理士に依頼するメリット

最大のメリットは、確定申告の手間や計算ミスによるリスクを大幅に削減し、本業の現場仕事に集中できる点です。複雑な記帳や税制改正への対応も確実に行ってもらえます。

自分では気づきにくい節税ポイントを指摘してもらえる

一人親方ならではの特殊な経費や、各種控除の組み合わせ、最新の優遇税制など、自分一人では見落としがちな節税ノウハウを提案してもらえます。

結果として顧問料以上の節税効果を得られるケースも少なくありません。

法人成りや融資も含めた経営相談ができる

売上が伸びてきた際の中長期的な「法人成り(会社設立)」のタイミング判断や、資金繰り・銀行融資対策など、単なる税金計算にとどまらない経営パートナーとしてのサポートを受けられます。

一人親方の節税に関するよくある質問

一人親方の節税についてよくある質問をまとめました。

一人親方はいくらから税金がかかりますか?

所得(売上から経費を引いた金額)が基準額(最大95万円)を超えると、所得税の基礎控除額を超えるため原則として課税対象となり、確定申告が必要になります。

また、住民税は所得が約45万円を超えたあたりから発生します(自治体により多少異なります)。

一番効果が高い節税方法は何ですか?

最も即効性と効果が高いのは「青色申告特別控除(最大65万円)」の活用です。出費を1円も伴わずに課税所得を大きく下げられます。

次いで、全額が所得控除になる「小規模企業共済」や「iDeCo」などの共済制度を活用するのが効果的です。

税理士に依頼するメリットはありますか?

正確な確定申告による税務調査リスクの軽減、自分に合った最適な節税策の提案、そして何より記帳や手続きの手間を省いて現場作業に集中できる時間を作れることが大きなメリットです。

【まとめ】一人親方の節税は「正しい申告」が最も効果的

一人親方の節税において最も大切なのは、無駄な出費を増やすことではなく、業務に必要な経費を漏れなく計上し、青色申告や各種控除をフル活用して「課税所得を正しく減らす」ことです。ルールに沿った適切な申告を行うことで、手元に残る貴重な資金を最大限に守ることができます。

日々の領収書整理や帳簿付けを徹底し、合法かつ計画的な税金対策を進めましょう。手続きや判断に不安がある場合や、売上が伸びて判断に迷うときは、プロである税理士へ相談して確実な経営基盤を整えるのがおすすめです。

当事務所では一人親方の開業の相談・サポートをしています。
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