個人事業主でも税務調査がくる?時期や確率、対策まで徹底解説
個人事業主として事業を運営していると、気になるのが税務調査です。「突然、税務署が調査に来たらどうすれば?」「税理士を雇うべき?」などと、多くの疑問を抱える方も多いでしょう。本記事では、個人事業主の税務調査について、詳しく解説します。
個人事業主に税務調査が10年以上来ないのは本当か
個人事業主に税務調査がくる確率は、法人に比べると低いです。なかには10年以上税務調査が来ないという方もいます。
では、実際に個人事業主と法人の税務調査に入る確率を令和5年度の資料をもとに比較してみましょう。
個人事業主 |
0.8% |
法人 |
1.9% |
参考:令和5年分の所得税等、消費税及び贈与税の確定申告状況等について/所得税及び消費税調査等の状況/令和5事務年度 法人税等の申告(課税)事績の概要/令和5事務年度 法人税等の調査事績の概要
また、令和4年度に個人事業主に税務調査が来た確率は2.5%でした。以上から、税務調査が個人事業主のもとに来る確率は0.8〜2.5%であると考えられます。
税務調査の対象になりやすい個人事業主の特徴
個人事業主のもとに税務調査が100%来ないわけではありません。特に調査対象になりやすい個人事業主は以下のような特徴があります。
- 申告をしていない
- 申告漏れが多い業種である(経営コンサルタントなど)
- 売り上げが1000万円にギリギリ満たない
- 開業後3年が経過していて売り上げが急激に伸びている
- 現金商売をしている(飲食店や美容室など)
個人事業主に対して税務調査が実施される時期はいつ?
税務調査は主に7月〜12月の間に実施されることが多いです。特に確定申告の内容を確認するために、申告期限である3月中旬から数ヶ月後の夏〜秋にかけて調査が行われることが多い傾向にあります。
ただし、売り上げに大きな変動がある場合は、税務署が特に問題があると判断した場合は、年中いつでも調査が入る可能性があります。
税務調査はどこまで調べるのか?気をつけるべきポイントは?
個人事業主の税務調査では、以下のようなポイントを重点的にチェックされます。
- 売上の申告漏れ:取引先とのやりとり、銀行口座の入出金履歴などを確認
- 経費の適正性:事業に関係のない支出を経費にしていないか
- 帳簿・領収書の管理:正しく記帳され、保存されているか
- 預金口座の動き:個人と事業用の口座を分けて管理しているか
- 消費税の申告:適切に計算・申告されているか
個人事業主に税務調査が来た時はどうするべき?
もしも税務調査が来た際には、落ち着いて対応することが大切です。
事前通知が来る場合が多い
通常、税務調査は事前に税務署から連絡があります。事前通知では、
- 調査の日程
- 調査の目的
- 必要な書類のリスト
などが伝えられます。
必要な書類を準備する
税務調査では、過去3年分の帳簿や領収書、請求書などを求められることが多いです。適切に整理して提出しましょう。
質問には正直に答える
調査官からの質問には、誠実に対応しましょう。不審な対応をすると、さらに詳しい調査が入る可能性があります。
税理士に相談する
税理士を雇っている場合は、税理士に立ち会ってもらうと安心です。税務調査の対応に慣れているため、適切なアドバイスをもらえます。
個人事業主が税理士を雇うメリットと費用相場
税務調査の際、税理士を雇うかどうかはケースバイケースですが、以下のようなメリットがあります。
税理士に依頼するメリット
- 交渉のサポート:税務署とのやり取りをスムーズに進められる
- 書類のチェック:適切な書類準備ができる
- 追徴課税のリスク軽減:税務署に適切な説明をすることで、無駄な税負担を防げる
税理士の費用相場
税務調査対応の税理士費用は、内容によって異なります。税理士と契約している場合は、調査時の費用が含まれていることもあるため、事前に確認しましょう。
個人事業主が税務調査対策のためにすべきこと4選
税務調査を完全に防ぐことはできませんが、以下のポイントを押さえておくと調査対象になるリスクを減らせます。
- 適正な帳簿管理を行う
- 売上の申告漏れをしない
- プライベートな支出を経費にしない
- 税理士に相談し、適正な申告を心がける
特に、毎年正しく申告し、透明性のある経理を行っている事業者は、税務調査の対象になりにくい傾向にあります。
まとめ
個人事業主の税務調査は、確率としては低いものの、売上の申告漏れや経費の不適切な計上があると、調査対象になりやすいです。
- 調査の確率は年間0.8〜2.5%程度
- 調査の時期は7〜12月が多い
- 売上の申告漏れや不正な経費計上が重点的に調査される
- 税務調査が来たら落ち着いて対応し、税理士に相談するのも有効
日頃から正しく帳簿管理を行い、税務調査が来ても慌てずに対応できるよう準備しておきましょう。
税務調査で慌てないためには、日頃から帳簿を正確に記帳し書類を適切に保存することが大切です。万が一、会計処理や税務調査に不安な点や不明な点があれば、税理士や会計士などの専門家にご相談ください。当事務所では、確定申告や節税対策だけでなく、税務調査や融資など幅広く税務・補助金に関する相談を受け付けております。ご希望の方は下記ダイヤルまたはお問い合わせフォームまでお気軽にご連絡ください。