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損益計算書で赤字は危険?考えられる問題点と改善方法を解説

決算書を見て「損益計算書が赤字だった」と気づいたとき、どれほど深刻に受け止めるべきか、判断に迷う経営者は少なくありません。

赤字が続くと資金ショートや銀行融資への影響が心配になりますが、一方で「赤字でも倒産しない会社がある」という話も耳にします。

本記事では、損益計算書の赤字が引き起こす具体的な問題点、赤字になる主な原因、そして早めに取り組むべき改善方法をわかりやすく解説します。

 

損益計算書(P/L)の赤字とは?

損益計算書(P/L)とは、一定期間における会社の「収益」と「費用」をまとめた財務諸表です。収益から費用を差し引いた結果がマイナスになる状態を、一般的に「赤字」と呼びます。

ただし、損益計算書には複数の利益段階があり、どこが赤字なのかによって意味合いが大きく変わります。

損益計算書で見る主な利益と赤字の意味

利益項目

意味

赤字の場合に疑われる問題

売上総利益(粗利)

売上 − 原価

商品・サービス自体の採算が悪い

営業利益

本業の利益

本業で利益を出せていない

経常利益

通常の会社活動の利益

借入の利息負担を含めた収支が悪化している

当期純利益

最終的な利益

特別損失を含め最終的に赤字になっている

たとえば営業利益が赤字なら本業の収益力に問題がある可能性があります。

一方、当期純利益だけが赤字の場合は、大規模修繕や役員退職金など一時的な特別損失が原因のケースも多くあります。

「赤字」という言葉だけで即危険と判断するのは早計です。

 

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赤字=即倒産ではない理由

「赤字だから会社は危険」と考えられがちですが、赤字だけで即倒産するわけではありません。会社が倒産する直接的な原因は「現金不足」です。

黒字倒産のリスクにも注意

損益計算書が黒字でも、以下のような状況では手元資金が不足して倒産することがあります。これを「黒字倒産」と呼びます。

  • 売掛金の回収が遅い
  • 在庫が増えすぎている
  • 借入返済が重い
  • 設備投資で現金が不足した

逆に、減価償却費が大きい会社では損益計算書上は赤字でも、実際の現金流出はそれほど大きくないケースもあります。

経営判断では損益計算書だけでなく、キャッシュフロー・資金繰り表・貸借対照表(B/S)も合わせて確認することが重要です。

 

銀行は赤字決算のどこを見ている?

赤字になると「融資は受けられないのでは」と不安になる経営者も多いですが、銀行は単純に赤字か黒字かだけを見ているわけではありません。主に以下の3点を確認しています。

1. 営業利益は出ているか

銀行が特に注目するのが営業利益です。

本業で利益を出せているかどうかは、ビジネスの持続可能性を測る指標になります。

営業利益が黒字であれば、本業の収益力があると評価されやすい傾向があります。

資金繰りや財務状況に大きな問題がなければ、融資可能と判断されることが多いです。

営業赤字が複数年続く場合は、ビジネスモデル自体の見直しが必要と判断される可能性があります。

2. 債務超過になっていないか

赤字が続くと純資産が削られ、やがて貸借対照表の純資産がマイナスになる「債務超過」に陥ります。

この状態になると金融機関の評価は大幅に低下し、新規融資はもちろん既存融資の条件変更を求められるリスクも高まります。

特に自己資本比率・純資産残高・利益剰余金の推移は、日頃から把握しておくべき指標です。

3. 資金繰りが回っているか

銀行が融資審査で重視するのは「返済できるか」という点です。

赤字であっても、手元預金が十分にある・毎月の返済が滞りなく続いている・具体的な経営改善計画がある、といった条件が揃えば融資継続の判断がなされることがあります。

資金繰り表や改善計画書の整備が、銀行との交渉において大きな意味を持ちます。

 

損益計算書が赤字になる主な原因

売上減少

売上減少は赤字の典型的な原因です。

市場縮小・競合増加・顧客離れなどによって売上が落ちると、人件費や家賃といった固定費を吸収しきれず赤字に転落します。

固定費の比率が高い業種ほどこの影響は顕著で、売上が少し落ちただけで一気に損益分岐点を下回るケースも少なくありません。

損益計算書の「売上高」の推移は、毎月必ず確認する習慣をつけましょう。

固定費増加

人件費・家賃・リース料などの固定費が増えると、損益分岐点が上昇します。

特に注意したい固定費や支出は以下のとおりです。

  • 人件費
  • オフィス賃料
  • サブスクリプション費用
  • 借入返済負担
  • 広告の固定契約

利益率の低下

売上があっても、値引き競争・原材料費高騰・外注費増加・低粗利商品の比率増加などによって、利益率が低下すると赤字に陥りやすくなります。

「売上は伸びているのに利益が残らない」という会社はこのケースが多くあります。

過剰な借入

借入が多い場合、利息の支払いが増えるため、経常利益を圧迫します。

営業利益は黒字でも、支払利息によって経常赤字になることがあります。

また、借入元本の返済は損益計算書に表れませんが、資金繰りには大きく影響します。

 

赤字でも危険性が低いケース

一時的な特別損失が原因

大規模修繕などによる一時的な費用増加や、災害損失・役員退職金などの特別損失が原因のケースです。

こうした損失は翌期以降に繰り返されるものではないため、本業の営業利益が黒字を維持していれば、経営の実態としては健全と判断できます。

損益計算書を「どの段階で読むか」が正確な評価のカギになります。

減価償却負担が大きい

大型設備を導入した直後などは、減価償却費の計上によって損益計算書が赤字になることがあります。

ただし減価償却費は、設備購入時に支払った金額を会計上分割して費用に計上するのが一般的です。

減価償却費そのものについて、当期に追加の現金支出が発生するわけではありません。

そのため、損益は赤字でもキャッシュは手元に残っており、資金繰りが安定しているケースも多くあります。

こうした状況では、営業キャッシュフローがプラスかどうかを確認することが実態把握の近道です。

先行投資型ビジネス

SaaSやEC、フランチャイズ展開などの成長を優先するビジネスモデルでは、先行投資によって意図的に赤字を出す時期があります。

この場合、損益計算書だけを見て判断するのは適切ではありません。

重要なのは、顧客獲得コスト(CAC)と顧客生涯価値(LTV)のバランスや、営業キャッシュフローの方向性です。

投資と回収の設計が計画どおりに進んでいるかどうかが、健全性を測る本質的な指標になります。

創業初期

創業直後は、広告宣伝費・採用コスト・設備投資などが売上に先行するため、一定期間の赤字は事業計画の想定内であることがほとんどです。

問題になるのは、赤字の理由が説明できない場合や、黒字転換の見通しが立っていない場合です。

計画と実績のズレを毎月確認し、軌道修正のタイミングを逃さないことが、創業期の資金管理において最も重要なポイントです。

 

関連する記事:赤字決算とは?節税になる仕組みやデメリット・対策方法まで徹底解説

 

損益計算書の赤字を改善する方法

固定費を見直す

赤字改善で最初に手をつけるべきなのは、固定費の削減です。

売上に関わらず毎月発生する費用を洗い出し、使っていないサブスクリプション・過剰なオフィス面積・稼働率の低いリース契約などを整理します。

固定費は削減した瞬間から損益に直結するため、即効性が高い施策です。

まずは費用を変動費と固定費に分類するところから始めましょう。

利益率を改善する

売上高を伸ばすだけでは赤字解消につながらないケースがあります。

大切なのは「利益が残る売上」を増やすことです。

値上げの検討・高粗利商品やサービスへの注力・原材料費や外注費の見直し・不採算ラインの整理など、粗利率を改善するアプローチを優先しましょう。

売上規模よりも利益率の構造を変えることが、根本的な赤字改善につながります。

資金繰り表を作成する

損益計算書の黒字化と並行して、必ず取り組むべきなのが資金繰り管理です。

毎月の入金予定・支払予定・借入返済・税金支払いを一覧化した「資金繰り表」を作成し、最低でも3〜6か月先までの現金の動きを把握しておきましょう。

損益が改善されていても資金ショートは突然起こります。

早期に予兆をつかむことが、倒産リスクを回避する最大の防衛策です。

税理士へ早めに相談する

赤字が続いている場合、税理士への相談は費用以上のメリットをもたらすことがあります。

欠損金の繰越控除の活用・融資交渉のサポート・財務改善計画の策定など、数字の専門家の視点は経営判断の精度を高めます。

決算後だけでなく、月次ベースでの顧問契約を検討する価値があります。

 

まとめ

損益計算書の赤字は、資金繰り悪化や融資審査への影響など、経営にさまざまなリスクをもたらします。ただし、創業初期や先行投資による一時的な赤字など、必ずしも危険とは限りません。

まず赤字の原因を正しく把握し、固定費の見直しや利益率改善、資金繰り管理を早めに行いましょう。自社だけで判断が難しい場合は、税理士への相談を検討してみてはいかがでしょうか。

当事務所では、確定申告や節税対策だけでなく、税務調査や融資など幅広く税務・補助金に関するご相談を受け付けております。ご希望の方は、下記ダイヤルまたはお問い合わせフォームまでお気軽にご連絡ください。



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