商工会議所とは?会員にならなくても使える無料サービス12選と入会メリットを解説
みなさまのお近くにある商工会議所ですが、会員にならないとサービスを受けられないと思っていませんか?
実は会員にならなくても飛び込みで受けられるサービスがあり、無料または格安で受けられるのでメリットしかありません。
今回は意外に知らない商工会議所の活用法について、解説していきます。
「商工会議所は遠い世界」「自分は会員なんかにならない、メリットがないから」と思っていませんか?
活用方法次第で経営改善にとても役立ちます。
そもそも商工会議所とは?日本では加入義務はない
商工会議所とは「商工会議所法」という法律によって規定されている「特別認可法人」である公益経済団体です。
ザックリ言うと、いわゆる「公益法人」の一種なのですが、その設立について法律で規定されているため、極めて安定した組織になります。
英語で商工会議所は「Chamber of Commerce and Industry」といいます。略して「CCI」と呼ばれることも多く、これを見たら商工会議所です。
商工会議所とよく混同されるものに「商工会」があります。やっている内容は同じような業務が多く、検定試験など共通に行うこともあります。
根拠法が違うなど細かく言うと差異はありますが、今回紹介するサービスについては、商工会でも受けられるものが多いです。
商工会議所は国によって「事業者強制加入」と「事業者任意加入」があり、日本は後者になります。
商工会議所に入らなくても事業を営むことができます。
そして商工会議所に入会しなくても受けられるサービスがなかなか凄いのです。
非会員でも活用できる商工会議所のサービス12個
商工会議所に入会しなくても以下のサービスについて受けられます。無料のものも多くぜひ利用を検討してみてください。
1.創業支援、創業塾
まず、創業塾、創業ゼミナールなどと呼ばれている、創業、開業希望者向けの研修です。
事業者になる前の個人を対象にしていますので、当然非会員向けのサービスになります。
自治体支援を受けていることも多く、民間の創業規模者向けのワークショップや情報商材と比較してもかなりお値打ちです。
2.経営相談、経営指導
経営コンサルティングです。
商工会議所には中小企業大学校で研修を受けた「経営指導員」がいて、彼らから無料で経営改善について、コンサルティングサービスを受けられます。
中小企業診断士の資格を持つ経営指導員も多く、商業分析や財務分析のテクニックも駆使しながら無料で経営上の課題を解決していきます。
お金は受け取ってはいけないことになっているので、そのような配慮は無用です。
3.マル経融資
政府系金融機関の「日本政策金融公庫」と商工会議所がタッグを組んで行っている看板メニューです。
- 無担保
- 無保証人
- 民間金融より低利(固定金利)
- 最大2000万円
- 据え置き最大6か月
などとてもメリットが大きい融資です。
経営指導歴など諸条件ありますが、詳しくは
マル経融資とは?メリット・デメリットや審査方法について解説
を合わせてお読みください。
4.専門家相談
商工会議所の窓口には日替わりで、弁護士、司法書士、税理士、社会保険労務士、中小企業診断士などの専門家相談を実施しています。
これらも無料で受けられます。
「事業に関すること」(つまり家庭内や友人知人関係以外)であれば相談できます。
5.エキスパートバンク
「出張専門家相談」のようなイメージです。1年に3回まで無料で上記の専門家やITコンサルタント、建築士、電気関連の有識者など、さまざまな分野のエキスパートが、みなさんの会社、事務所を訪問して実地指導を行います。
通常指導を受ければ数万では済まないようなケースも、無料で3回まで受けられる、このサービスは意外に知られていないので、ぜひ利用を検討してください。
6.記帳相談、記帳指導
個人事業主限定のサービスです。
確定申告に向けて1年間継続して毎月1回、会計処理、記帳について専門家が指導します。
ただし、簡単に記帳できる会計ソフトが広まっているため、以前ほどのニーズはなくなっています。
日々の記帳(会計、仕訳)について商工会議所が代行する「記帳代行」は昔に比べると行うところが減っています。記帳代行は有料になります。
ただし、確定申告書の作成や確定申告自体できるのは、本人か税理士ですので、最後はご自身で行っていただくか、税理士に依頼することになります。
7.無料セミナー
商工会議所では数多くの無料セミナーを実施しています。
主に経営改善に資する内容のもので、さまざまな分野の講師からお話が聞けます。
8.有料セミナー
パソコン講座や新入社員研修などがこちらに当たります。会員価格と非会員価格があるため、何度も受講するなら会員になった方がお得です。
しかし、単発で興味がある研修を受講するなら、非会員のままでも構いません。
民間の研修を受講するよりも割安になっています。
9.貿易証明
海外と取引を始める際、原産地証明書などの発給で必ずお世話になるのが商工会議所です。
非会員だと証明書1枚あたりの手数料(発給手数料)が高くなりますが、たまにしか輸出入をしない事業者であれば、会費を払うより非会員価格でその都度利用した方がトータルで安く済むケースもあります。
10.貸会議室
駅近の好立地にあることが多い商工会議所のビルですが、会議室を借りられるところが多いです。
実は一般のレンタルスペースを借りるよりも、非会員価格でも商工会議所会議室の方が安くて設備が整っている穴場スポットだったりします。
セミナーや社内研修、面接会場として、非会員のままスポット利用する事業者も実は多いのです。
11.検定試験
日商簿記やリテールマーケティング(販売士)、ビジネス実務法務検定、eco検定など、ビジネスでお馴染みの検定です。
これらは広く一般に開かれた事業ですので、会員・非会員無関係、小学生でも平等に受験できます。
従業員のスキルアップのためにできたのが商工会議所の検定試験ですが、日商簿記1級などはかなり権威があります。
12.事業承継、廃業相談
『後継者がいない』『そろそろ会社を畳みたい』といった、ナイーブで誰にも言えない悩みも、無料で窓口相談が可能です。
その地域にある『事業承継・引継ぎ支援センター』などとも連携しているため、その道の専門家へつないでもらえます。
創業から、事業承継、廃業まで、まさに事業者の「ゆりかごから墓場まで」のサービスを非会員でも利用できます。
会員限定の商工会議所のサービス12個
商工会議所は会員事業所の会費で成り立っています。非会員でも受けられるサービスだけではなく、会員限定のベネフィットについても理解しておきましょう。
会員になりたいならばぜひお近くの商工会議所まで問い合わせしてみてください。
1.商工会議所の役職、経済界の地位
「〇〇商工会議所会頭」「〇〇商工会議所△△委員長」「〇〇商工会議所青年部幹事長」のような肩書は当然会員限定です。
経済界のしかるべき地位という名誉も、会員になり活動に参加し、他の会員から信頼されていくことで可能になります。
名誉欲は経営者として決して悪いことではありませんし、地位が上がれば、自分の意見が商工会議所の要望書などにも反映されやすくなります。
政治家や行政に手交する要望書によって、社会が変わるきっかけになれば、自分の会社を経営する以上のダイナミズムを実感できるでしょう。
2.会員限定セミナー
会員優待価格ではなく「会員限定」のセミナーも受講できます。
有名なジャーナリストや有識者のセミナーを格安で受講できるのは、商工会議所会員の特権です。
3.会員限定ローン
マル経融資とは異なるもので、既存の民間金融機関の融資を申し込む際に、商工会議所会員であることを示せば、優遇金利で借りられる制度です。
商工会議所会員であることがプラス評価されることになります。
4.展示会出展
東京ビッグサイトやインテックス大阪などで開かれる展示会、商工会議所会員ブースで出展できます。
会員価格で良い場所を得られるのでとても得です。
5.ビジネスモール、商談会
商工会議所会員同士の商談会やあるテーマに沿ったビジネスモール的なイベントも、会員限定のサービスになります。
そこで新しい取引先が見つかることもあります。WEBで行う商談会も増えてきました。
6.異業種交流会、青年部
こちらはもっと人間関係の濃い交流会です。ビジネスチャンスと言うよりも、一生付き合える人脈づくりがメインです。
みんなで視察研修会に行く、地域のお祭りに出店するなど、サークル的な側面もあります。
7.女性会
女性経営者の集まりです。
まだまだ日本では女性経営者、女性社長が少ないので、このような集まりにも意味があります。
女性会として提言を出す、研修会に行く、近隣の県と合同の女性会連合会などもあります。
8.福利厚生支援サービス
CLUB-CCIという福利厚生支援サービスです。会員、従業員がホテルを安く泊まれる、テーマパークで割引される、ショッピングの割引があるなど、具体的に還元できるものになります。
自費の人間ドックなどもこれで安価に受けられることもあります。
9.会員向け共済
団体のスケールメリットを活かして、さまざまな共済も会員向けに準備されています。
生命共済(生命保険)だけでなく、所得補償共済、労災上乗せ共済、製造物責任(PL)共済など多種多様な共済メニューで、多くの業種の方の経営リスクや従業員の健康を守ります。
10.視察会
会員向けの視察会もあります。
バスを借りて、工場見学→酒蔵、ビール園見学(試飲付き)などが王道コースです。
なかなか行けない場所も商工会議所の名前で特別に視察を許可されるケースもあります。
大阪・関西万博にも全国各地の商工会議所から、バスや電車で視察会として訪問がありました。
細かいチケットの手配などは事務局がやってくれるのでとても楽です。
個人会員で年会費1万円くらい払って、視察会に参加し続けるのが賢い会員かもしれません。
11.会報誌、新聞
商工会議所が発行する会報誌、新聞、メールマガジンなどに自社の広告を載せてもらうこともできます。
会員企業として知名度があれば取材などもあるかもしれません。
12.その他地域の実情を反映したサービス
それ以外にもその地域の特性を活かした会員向けサービスがあります。
会員限定も非会員でも受けられるサービスも同じくらいですが、会員限定サービスが不要なら会員にならずサービスを活用するのは大いにありといえるでしょう。
商工会議所だけでは対応しきれないケースもある
非会員でも使える商工会議所のサービスですが
- 担当者異動がある
- 月次で見てもらえない
- 節税相談は限定的
- 緊急相談してもその日に専門家がいないかも
このような事情があります。
商工会議所職員はジョブローテーションでさまざまな部署を担当しますので、経営支援分野にすごく詳しい人に当たらないかもしれません。
節税については商工会議所の管轄外です。商工会議所には税金が投入されているので、そうしたことを積極的に指南することはありません。
無料セミナーなどで経費計上について触れることはあります。
毎月数字を見ながら経営改善したいなら税理士事務所も優良な選択肢になりますので、ぜひ検討してみてください。
【まとめ】商工会議所をうまく活用して経営改善に取り組もう
このように商工会議所はさまざまなサービスがあり、会員にならなくても受けられるベネフィットも多いのです。
無料サービスからの強引な勧誘はないので安心してください。特別認可法人なのでそのようなことはできません。
商工会議所の記帳指導や専門家相談は非常に便利ですが、『年間3回まで』といった回数・期間の制限があるサービスもあります。
もっとリアルタイムに毎月の数字を見たい場合は、最初から税理士事務所に相談しておくのも良いでしょう。
資金調達、創業、事業承継、記帳会計だけなら詳しく指導できる税理士事務所に相談するのもありです。



