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設備資金とは?運転資金との違いや融資審査のポイントを徹底解説

事業を始める際や拡大する際に必要となる資金の一つに設備資金があります。

本記事では、設備資金の定義から運転資金との違い、具体的な例、そして融資を受けるためのポイントまで詳しく解説します。

これらの資金は使用目的や融資条件が異なるため、正しく理解し適切な資金計画を立てましょう。

設備資金とは?意味や対象となる資産を解説

設備資金とは、企業が事業運営を行うために必要な機械や設備を購入・更新・改良するための資金を指します。

一般的に設備資金の対象となるのは、数年(法定耐用年数)から数十年にわたって使用される資産です

具体的には、建物や大型機械、製造設備、専門性の高い業務用設備などが該当します。

金融機関の融資においても長期借入として扱われるケースが多いです。

 

設備資金の大きな特徴は、一時的にまとまった金額が必要になる点にあります。

特に創業時や事業拡大のタイミングでは、工場設備や店舗内装、業務用機械などの購入により、高額な支出が発生します。

これらの設備は短期間で消費されるものではなく、長期間にわたり事業の収益力を支える「投資」としての性質を持ちます。

そのため設備資金は短期的な資金繰りではなく、中長期的な視点で計画される資金といえるでしょう。

 

また設備資金は、原則として貸借対照表(B/S)に計上される「資産性のあるもの」が対象です。

決算書上で「固定資産」として処理されるかどうかが、設備資金か運転資金かを判断する重要な基準となります。

 

関連する記事:固定資産の減価償却とは?対象資産と計算方法をわかりやすく解説

 

設備資金と運転資金の違いは?目的や返済期間で比較

設備資金と運転資金の違いは、資金を使う目的と必要となる期間(継続性)にあります。融資条件や返済期間、金利の考え方にも影響するので正しく理解しましょう。

継続性の違い

設備資金は、設備投資などのために一時的に必要となる資金です。

一方、運転資金は事業を続ける限り継続的に使用する資金で、給与・家賃・仕入代金・光熱費など日常の事業活動を支えます。

この継続性の違いが、融資期間や借入割合の判断に影響します。

会計処理の違い

設備資金は将来の収益獲得を目的として使う資金で、原則として固定資産として計上されます。

固定資産は、購入時に全額が費用になるのではなく、『減価償却』によって耐用期間にわたり分割して費用化されます

一方、運転資金は現在の事業運営に使う資金で、原則として費用処理されます。

会計処理の違いは、決算書や金融機関の融資判断に直結します。

返済期間の違い

融資の返済期間にも違いがあります。

設備資金は投資回収に時間がかかるため、10年〜15年(制度により最長20年)程度の長期返済が可能です。一方、運転資金は一般的に5年〜7年以内で設定されます。

これは、設備資金が投資の回収まで長期間が見込まれるため、金融機関も返済を含めて長い目で見るものである一方、運転資金は今現在の事業を回すためのものなので、比較的短めの返済期間が設定されるためです。

 

業種別|設備資金の具体例

設備資金には、業種によってさまざまなものが含まれます。ここでは、主な業種ごとの具体例を紹介します。

飲食業の場合

  • 店舗の敷金・保証金
  • 店舗の内装工事費、外装工事費
  • 冷蔵庫、オーブン、調理器具などの厨房設備
  • 客席の机・椅子などの備品
  • POSシステムなどのITツール
  • Webサイトの作成費用

製造業の場合

  • 事務所や工場の敷金・保証金
  • 工場などの建設費用、増設・拡張工事費
  • 製造機械・設備の購入費
  • 事業用車両(トラックなど)の購入費
  • 生産管理システムやソフトウェアの導入費用

建設業の場合

  • 事務所の敷金・保証金
  • 建設機械(ショベルカーなど)の購入費
  • 事業用車両(トラック、ダンプなど)の購入費
  • 資材倉庫の建設費用

美容業の場合

  • 店舗の敷金・保証金
  • 店舗の内装工事費
  • シャンプー台、鏡、美容椅子などの設備
  • カット用具、パーマ機器などの備品

IT業・サービス業の場合

  • オフィスの敷金・保証金
  • パソコン、サーバーなどのIT機器
  • ソフトウェア、業務システムの導入費用
  • オフィス家具(デスク、チェア、会議室設備)
  • Webサイトの構築費用

 

※ただし、少額なものや広告宣伝目的のサイト制作は運転資金とみなされる場合があります。

 

設備資金の融資を受ける方法|制度と条件について

設備資金の融資を受ける際は、融資制度の特徴や金融機関ごとの条件を理解することが重要です。

設備資金の融資として日本政策金融公庫の制度は創業者や事業拡大に活用できます。

 

日本政策金融公庫

融資制度

融資限度額

対象者

特徴

一般貸付

7,200万円

(運転資金4,800万円)

すべての事業者

長期設備資金向け

新規開業資金

7年以内の創業者

創業者または

事業開始後7年以内

設備資金・運転資金両方に利用可

マル経融資

制限あり

小規模事業者

商工会議所指導のもと利用可

 

各制度の最新情報については、日本政策金融公庫のHPをご確認ください。

 

設備資金における融資の審査ポイント

設備資金の融資審査では、自己資金の割合、返済能力、資金の使い道、事業の将来性が重視されます。運転資金との違いを踏まえ、金融機関に納得される説明が必要です。

自己資金の割合

日本政策金融公庫の「新規開業資金」等の主要な創業融資制度では、2024年4月の改訂により、以前まで存在した「自己資金1/10以上」の要件が撤廃されました。 

そのため現在は自己資金が少なくても制度上は申し込みが可能となっています。

しかし、審査では事業準備の真剣度や返済能力の指標として重視されるため、安定した自己資金を確保できている方が審査を通過しやすいです。

返済能力の証明

事業計画書では、設備資金を何に使い、どのように収益を生み、返済できるかを明確に示す必要があります。

返済原資が不明確な場合や決算が赤字の場合、融資審査は厳しくなります。

設備投資と収益の関係性を数字で示すことが重要です。

資金使途の明確化

設備資金融資では、資金の使用目的を明確にし、申込内容どおりに使うことが求められます。

設備資金として借りた資金を運転資金に流用すると契約違反となり、一括返済を求められるリスクがあります。

用途の違いは必ず整理しておく必要があります。

事業の将来性

設備投資によって、事業がどのように成長するのかを中長期視点で示すことが重要です。

市場動向や競合との違いを踏まえた事業計画は、融資判断の材料となります。

将来性の説明が不十分だと、融資金額や条件に影響します。

設備資金融資の注意点

設備資金の融資では、資金の使い方や返済計画を誤ると経営リスクにつながります。融資条件や金利も踏まえ慎重に判断しましょう。

資金使途の厳守

設備資金として融資を受けた資金は、申込時に定めた設備投資以外には使えません。

流用すると重大な違反(資金使途違反)となり、一括返済を求められるだけでなく、将来にわたってその金融機関や保証協会からの融資が受けられなくなる極めて高いリスクがあります。

使途の判断に迷う場合は、事前確認が重要です。

適切な返済計画

自己資金の割合、返済期間、金利水準を踏まえ、無理のない返済計画を立てることが重要です。

設備資金は長期融資が可能ですが、過大な借入は資金繰りを圧迫します。

将来の収益見込みと返済額のバランスを冷静に見極める必要があります。

証拠書類の保管

融資後は、設備購入を証明する領収書や契約書、請求書などの証拠書類を必ず保管しましょう。

金融機関から、資金の使用状況について確認を求められることがあります。

書類不備は信頼低下につながるため、管理体制も重要です。

 

まとめ

設備資金は、運転資金との違いや使い方を誤ると、融資条件や金利、返済計画に大きな影響を及ぼします。

資金使途の判断や事業計画の作成、自己資金の割合の考え方は、経営者ご自身だけで整理するのが難しい場面も少なくありません。

さらに、多額の設備投資を行う際は、消費税の還付を受けられるケースがあるため、事前に届出書の提出が必要か確認しましょう。

当事務所では、確定申告や節税対策だけでなく、税務調査や融資など幅広く税務・補助金に関する相談を受け付けております。

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